目次
レバレッジETFとは
レバレッジとは「てこ」の原理のことで、レバレッジETFは日経平均株価指数やSP500などの腫瘍の指数よりも大きな幅で変動するように設計されたETFです。
例えば日経平均株価が3%上昇した場合、3倍のレバレッジがかかったETFはその3倍の9%の値動きをします。逆に3%下がれば9%下がります。
このように、ハイリスクハイリターンの投資商品になっています。
レバレッジETFのメリット
レバレッジ商品の大きなメリットとして挙げられるのが、「効率良く素早く資産を増やすことができる」という点です。
株価指数に対して2倍のレバレッジのかかっている商品であれば、1日上昇した場合2倍の利益が、二日連続で上昇した場合、福利で2倍以上の利益を受け取ることができます。
例として、株式指数とそれにレバレッジをかけた商品を100万円ずつ購入したと仮定します。
これが1日で10%上昇したと仮定すると、
- 株式指数:100 × 1.1 = 110万円
- レバレッジ商品:100 × 1.2 = 120万円
となります。さらに2日目は20%株式指数が上昇したとすると、
- 株式指数:110 × 1.2 = 132万円
- レバレッジ商品:120 × 1.4 =168万円
このように、通常の株式指数に沿ったETFを購入するより2倍以上の利益を出すことができます。
レバレッジETFのデメリット
先ほどはレバレッジ商品の良い点として、福利が働くことを紹介しました。
しかしこれは下落局面でも同じことが言えます。また、下落後の回復にも通常の商品に比べて遅い傾向があります。
先ほど紹介した例のように、株式指数と2倍のレバレッジをかけた商品をそれぞれ100万円ずつ購入したと仮定します。
これが1日で10%下落したとすると、
- 株式指数:100 × 0.9 =90万円
- レバレッジ商品:100 × 0.8 =80万円
となります。また、2日目は株式指数が20%下落したとすると、
- 株式指数:90 × 0.8 = 72万円
- レバレッジ商品:80 × 0.6 =48万円
このように、株価上昇局面でのレバレッジ商品の利益が2倍以上になっていたのと同じように、株価下落局面においては損益額が通常の株式指数に比べて2倍以上の損失になっています。
また、下落後の上昇局面においても、価格の回復が非常に遅いというデメリットがあります。
例えば、1日目に10%、2日目に20%下落した日の後、3日目に株価指数が50%の暴騰をしたとします。
そうすると、
- 株価指数:72 × 1.5 = 108万円
- レバレッジ商品:48 × 1.5 = 72万円
このように、極端な例であるものの、株式指数が回復し、むしろ利益が出ている時点でレバレッジ商品の方はまだまだ大きな損益を出していることがわかります。
よくある勘違い
レバレッジ商品を購入するにあたって良くある勘違いしている点としてあるのが、
「初年度から30%上昇している指数の2倍のレバレッジ商品は60%上昇している」
という勘違いです。
株式指数というのは基本的に下落局面と上昇局面を繰り返しながら、日々価格が変動しています。
先ほどデメリットでも挙げましたが、下落した後上昇したとしても、レバレッジ商品の場合元の価格に戻るのに時間がかかるという点があります。
その結果、1年後に株式指数が30%上昇しているのに、レバレッジ商品は10%のマイナスを計上しているなんてこともよくあります。
わかりやすい例で言うと、「日経平均ダブルインバース・インデックス」という商品です。
「ダブルインバース」というのは2倍の値動きをするレバレッジ商品であることを指しています。
まずは日経平均の現在の動きを見てみましょう。
これに対して、「日経平均ダブルインバース・インデックス」の値動きがこちら。
このように、同じ指数に関する価格であっても、株式指数がここ10年で上昇しているのに比べて、ダブルインバースの商品はほぼ紙切れ状態にあることがわかると思います。
基本的に買わない方が良い
先ほど例に挙げたことからもわかる通り、基本的に長期で持てば持つほど損をする商品であることがわかったと思います。
他にも、レバレッジ商品をお勧めしない理由としては、手数料が割高という点があります。
通常、アメリカの主要なETFの場合は手数料が0.01%〜0.1%程度となっていることがほとんどです。
しかし、このようなレバレッジETFは今回紹介した「日経平均ダブルインバース・インデックス」の手数料が0.8%であることからもわかるように、非常に割高です。
これらのことからも、レバレッジ商品を購入することはお勧めしません。
レバレッジ商品を紹介するようなやつは信じるな
ここまで紹介してきた通り、レバレッジ商品を購入することによるメリットはほとんどないことがわかったと思います。
レバレッジ商品とは、「情弱のカモを見つけるための餌」だと個人的には思っています。
そんなレバレッジ商品ですが、残念ながら現在の日本においては主要な投資商品となってしまっています。
こちらはSBI証券における週間販売金額ランキング。
このランキングから3位にレバレッジETFがランクインしていることがわかります。
このような事態になってしまっている理由として、
「利益が2倍以上出る」「短期投資で稼げる」「ランキングに入っているくらい人気の投資商品」
といったようないかにも美味しい投資先のように聞こえるという点があります。
また、YouTuberの中にはレバレッジ投資を専門に行うトレーダーがたまにいます。元証券マンと謳いながらレバレッジ商品を初心者にお勧めするのはいかがなものかとは思いますが、レバレッジ商品を購入して損をした人がYouTubeを見て自信をつけ、さらに損益を拡大していく例が後を絶ちません。
中には4000万円の資産をNASDAQのレバレッジ商品に投資し、100万円以下にまで資産を減らしてしまったという事例があるそうです。
このような危険な投資商品を紹介・お勧めしてくるような人間は基本的に信用しない方が良いです。
まとめ
今回はレバレッジ商品を買わない方が良い理由について解説しました。
もちろんレバレッジの全てが悪というわけではありません。
メリットデ挙げたように、利益を2倍以上に膨らませることもできる非常に画期的な投資商品だと思っています。
ただし、投資を始めたての人やとにかくお金を稼ぎたくて株式投資を始めた人は今回紹介したような罠に落ちる可能性が非常に高いと思います。
レバレッジ商品の特性をしっかりと理解し、自分に見合った投資方法を実践していくのが大事です。
今後投資をしていく上で、少しでも役に立てば嬉しいです。